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AR×AI技術で美容業界に革命を|累計11億DL「YouCam」が創る次世代ショッピング体験

パーフェクト株式会社
日本事業責任者 磯崎 順信氏
公開日:
2026.01.19
更新日:
2026.02.02

「なぜアメリカ?」という疑問から始まった米国留学。28歳でIT業界へ

まずは磯崎さんご自身の経歴についてお聞かせください。

生まれは神奈川県大和市ですが、小学校2年生の時に岡山の田舎に引っ越し、高校まで過ごしました。

当時は1980年代で、日本中が「なんでもかんでもアメリカ」という雰囲気だったんです。音楽もファッションもビジネスもアメリカ。私にはそれがどうしても腑に落ちなかった。「なぜみんなそこまでアメリカになびくのか」という疑問が常にあったんです。

それなら、アメリカ人の頭の中を理解しないと納得できないと思い、アメリカ留学を決意し、大学からカリフォルニアに渡りました。

アメリカではどのような生活を過ごされたのですか。

授業料が上がってカリフォルニアの大学には行けなかったので、トラックをレンタルしてアイダホに引っ越して。遊びながらの学生生活だったので卒業までには時間がかかりました。

卒業後は、プラクティカルトレーニングビザを使って、カフェで働きながら午後はバンド活動をするといった生活を1年ほど送りました。その後、ビザとお金が切れて日本に帰国することになったんです。

そこからIT業界に入られた経緯を教えてください。

帰国後、しばらくは行き来する生活をしていましたが、28歳の時に日本での就職を決めました。グローバルに動ける仕事として、当時選択肢に上がったのがアパレル系とIT系。いただいた内定の中から最終的にIT業界を選んだのが、この世界に入った第一歩です。

その後は経験を活かしながら、常に新しいもの、ワクワクするものを追い求めてきました。ミーハーで新しいもの好きなんですが、自分がパッションを注げる仕事の方がパフォーマンスも上がるので。そういうアップアンドカミングな技術に惹かれて転職を重ね、今に至っています。

技術力×意思決定スピードが生む競争優位性

パーフェクト株式会社について教えてください。

弊社は、台湾の画像・映像処理ソフトウェア企業「サイバーリンク」から2015年にスピンオフして誕生しました。2014年頃、女性向けセルフィーカメラや、簡易的なバーチャルメイク機能が市場に出始めた頃、サイバーリンクの技術力を使えば「もっとしっかりしたものを作れる」と考え、本格的なバーチャルメイクアプリを開発したんです。

それが爆発的にヒットしたことを受けて、2015年に分社化し、独立したのがパーフェクト株式会社です。創業時から社員は100名以上、アプリは4つ稼働しており、非常に恵まれた環境でのスタートアップでした。

御社の強みについて、もう少し詳しく教えていただけますか。

まず1つは技術水準が非常に高いということです。

台湾のソフトウェア企業でグローバルに展開している企業は、トレンドマイクロとサイバーリンクくらいしか思い浮かびません。サイバーリンクは台湾では看板企業で、一時期はGoogleと技術者を取り合えるくらいの力がありました。そのため、R&Dにいる開発チームのエンジニアは本当に優秀なんです。

現場の声も反映されやすいのでしょうか。

弊社の組織は意思決定がとても早いのが一つの特徴で、ある方向に進んでいて「これは間違っていた。こっちの方が正しい」と判断したら、すぐに向きを変えられる。

一般的な上場企業だと、人がいなくなったり責任問題になったりしますが、弊社は企業にとって正しい方向に行くことが正しいという考えなので、迷うことがないんです。

見ている側としては本当に気持ちいいですよ。人によっては「振り回されている」と感じるかもしれませんが、私の肌感にはとても合いました。

組織面での強みは何でしょうか。

そうですね。日本も含めてフロントライン(顧客対応を担う営業の第一線)からのフィードバックをしっかりとプロダクトに反映でき、そのスピードも非常に早い。単純に「売る」というよりも、「サービスを一緒に作っている」というやりがいを感じられます。

入社当初は驚きました。一般的には営業が開発にリクエストして説得しますよね。でも弊社は逆で、開発側からどんどん新しいものが出てきて、営業や他チームを巻き込みながらサービス展開していく流れが生まれます。これはなかなか他社では経験できないことだと思います。

累計11億DL「YouCam」。バーチャルメイクから始まった美容DXの物語

御社の主力サービスについて教えてください。

弊社の中核となるのが、バーチャルメイクアプリ「YouCam メイク」をはじめとするYouCamシリーズです。おかげさまで、全世界で累計11億ダウンロードを突破しています。

スマートフォンのカメラを通じて、リアルタイムで様々な化粧品を仮想的に試すことができるアプリです。顔認識技術により、顔の各パーツを正確に認識し、限りなくリアルに近い自然な”バーチャルメイク”を楽しめます。

消費者向けアプリだけでなく、企業向けのソリューションも提供されているのですね。

実は企業向けのSaaS型ソリューションこそが弊社の主力事業です。グローバルで700以上のブランド様に採用いただいており、日本では資生堂様、花王様、コーセ様といった大手御三家を含め、海外ではシャネル様、エスティ ローダー様など、グローバルトップ10ブランドの実に8割が弊社と何かしら取引をしている形になります。

弊社のバーチャルトライオンや診断型AIを使うことで、ECサイト、店頭、SNSなど、あらゆるチャネルで一貫性のある高品質なバーチャル体験を顧客に提供できます。

具体的な導入効果について教えていただけますか。

一言で言うと、「あ、これいいかも」って思っていただけるような、消費者とブランド間のエンゲージメントを膨大なボリュームで創出することができるんです。

例えば、ECサイトにバーチャル試着機能を導入いただいたケースでは、コンバージョン率が大幅に向上した事例が多数あります。店頭のタブレットに肌診断アプリを導入いただいた事例でも、購入率が大きく増加したとの報告をいただいています。

他社が真似できない「チューニング」技術。生成AIでも一発で商品を忠実再現

競合他社も増えている中で、御社の決定的な差別化ポイントは何でしょうか。

弊社の最大の強みは「チューニング」技術です。

元々バーチャルメイクから始まったのですが、ARでバーチャルメイクをより自然に、そして元々の商品を忠実に再現するために、AIを学習させて、チューニング・軽量化して、ビジネスで使い勝手がいいものにするということをずっとやってきました。そのため、今の生成AIになってもそのチューニング技術が非常に長けています。

具体的にどのような技術なのでしょうか。

例えば最近力を入れている生成AIのサービスでは、ユーザーの画像に洋服を着せるバーチャル試着ができます。もちろん一般的な生成AIモデルを使えば誰でもできますが、「厳密性」となると話は別です。

商品のパターンやフリルの細かいディテールに加え、ユーザーの顔や体型まで忠実に再現するとなると、1回ではまずできません。プロンプトを調整しながら10枚、20枚、下手すると50枚くらい作ってやっと満足いくものができるかどうか。それをECでそのままユーザーに「はい、どうぞ」というのは現実的ではありません。

商品とユーザーの両方を厳密に、となると難しいですね。

しかし、弊社のチューニングしたAIを使っていただくことによって、それが一発でできるんです。ユーザー体験を崩さずに、自分が着たらどう見えるのかを表現でき、ブランドのモチーフやロゴ、文字に至るまで崩さないで再現できる。それが一発でできるのは、現時点で弊社しかいないのではと思います。

なぜ他社では難しいのでしょうか。

汎用のモデルですと、やはり商品の厳密性が担保できない、出力内容が毎回同じという形ではできない、そしてBtoBtoCという形でエンドユーザーに渡せるようなものにはなっていないんです。弊社はそういったものを、ボタン1つ、API1つで簡単に使えるようなものを提供しています。

日本は「EC率が低い=デジタル後進国」ではない。OMO大国の真実

日本市場の特性について、どのように分析されていますか。

面白いことに、日本はEC率がとても低いんです。特に化粧品は先進国の中でも最下位レベルで、約9割の人たちはお店で買っています。

そのため「日本はEC率が低いから、デジタルが遅れている」と言われがちですが、それは事実ではありません。消費者のデジタル使用率は高く、ECサイトへのアクセスも多いんです。実は、弊社のバーチャルトライオンや診断、AIの利用も日本はトップレベルで、特に肌診断は世界一、バーチャルトライオンもアメリカと1位、2位を常に競い合うくらいです。

では、なぜEC率が低いのでしょうか。

要は「商品探し」、買い物の予習をしっかりしているんです。

これは、やはりお買い物に対して質を求める、失敗したくないという日本の国民性と、実店舗へのアクセスが欧米に比べると比較的駅近で整っているという環境が関係しています。会社帰りや学校帰りに簡単にアクセスできる。だから、あえてECで買う必要性が若干低くなっているんです。

それが御社のビジネスにどう関係するのでしょうか。

昨今のブランド様の戦略では、ECを単なる流通チャネルではなく、デジタル上でのブランドの顔として、エンゲージメントをいかに深く良くできるかを重視されています。

デジタル上で「自分に似合うかも」「これがいいかも」と思っていただき、頭の中の欲しいものリストの上位にその商品を持っていく。そうすることで、オンライン、オフラインに関わらず売り上げを上げられる仕組みです。

一言で言うと日本はOMO(Online Merges with Offline; オンラインとオフラインの融合)大国なんです。デジタルでエンゲージメントを高めて、店頭でもECでも購入していただく。それが弊社の提供している価値です。

2022年NYSE上場。全社一丸で勝ち取った誇り

2022年10月にニューヨーク証券取引所に上場されましたが、その経緯を教えてください。

弊社が上場したのは2022年で、SPAC上場という形でした。その年にSPAC上場したのは2社しかなかったと記憶しています。もう少し早く上場したかったのですが、コロナの影響もあって少し遅らせました。2022年は米国市場で上場企業が1番少なかった年だったと思います。

上場に向けての準備はいかがでしたか。

2021年、2022年は、全社が「上場をしっかり実現するんだ」を意識しながら動いていました。数字であったり、メッセージングであったり、あらゆる方面で、みんな一生懸命ちゃんとしたものを作ろうと頑張っていたんです。

上場できた時は、本当に「みんな頑張ったね、嬉しいね」ということを全社で共有できました。

上場前と後で、何か変化はありましたか。

ニューヨークで上場したということに関しては、対外的には一目置かれますし、社員1人1人もそれを誇りに思えるようになったと感じています。日頃のところに大きな影響はありませんが、精神的なところでは、1人1人の社員が少し胸を張って動けるようになったと感じています。

APIパートナー募集中。最先端AI技術を低コストで提供できる仕組みとは

最後に、PRしたいことや、求めているパートナーについて教えてください。

これまで弊社が提供してきたエンタープライズサービスは、ほぼすべてブランド様と直接契約が必要でした。制作会社様や代理店様が横にいて、3社、4社で一緒にプロジェクトを遂行していく形だったんです。

ただ、APIにどんどんシフトしていくとなると、スケールしていくことが必要になってきます。APIの特性上、これまで難しかった再販がとても簡単にできるようになるんです。

具体的にはどのようなパートナーを求めていますか。

代理店様や制作会社様経由での商流がやりやすくなりました。そういう代理店戦略を今ちょうど展開しているところです。

再販であったり、自社のサービスに組み込んでさらに再販であったり、そういったことに興味がある企業様にぜひご検討いただきたいです。弊社のAPIを使っていただければ、比較的低コストで広く、最先端のAIを提供できるサービスを作って展開していただける。そのようなインテグレーションリセラーパートナーになれる方々に、ぜひご検討いただきたいと思っています。

今後の業界トレンドについて、どのように見ていますか。

今後、世の中はAIを作る人たち、サービスとして提供する人たち、それを使いこなせる人たちだけになってくると思います。AIを使えない人、企業はどんどん淘汰されていくのではと考えています。

表面的なAIサービスしか出せていない企業は、すぐにGoogleやOpenAIのような企業の標準機能として搭載されていくと思うので、本当に短命で終わってしまうと思います。

そのようなAI時代において、企業が選ばれ続けるために必要な要素は何でしょうか。

そういった中で、いかに独自の、簡単にコピーができず、しかもビジネスユーザーおよびエンドユーザー両方ともに価値が高いものを提供し続けられるのかがキーになります。

弊社は、既存のモデルをそのまま使うのではなく、限界を超えたサービス、BtoBでもBtoCでも使い勝手が良いものを展開し続けていきたいですね。

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COMPANY 企業情報

企業名
パーフェクト株式会社
代表者
磯崎 順信
所在地
東京都港区芝大門 1丁目16−3 芝大門116ビル
事業内容
最先端の AR(拡張現実) と AI(人工知能) 技術を活用し、多様なニーズや予算に応じたサービスを SaaS として提供。
(AI肌診断、バーチャル試着、バーチャルメイク、ヘアスタイル、ヘアカラー等)
HP
https://www.perfectcorp.com/ja/business

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