アーカス・ジャパン株式会社|代表取締役 松原 晋啓

CRMの正統後継者として日本のITリテラシーの底上げを目指す

アーカス・ジャパン株式会社
代表取締役
松原 晋啓氏

アクセンチュア、マイクロソフト…世界の名だたる企業でのエンジニア経験を経て地元大阪へ



まずは御社の事業内容をお伺いしてもよろしいでしょうか。

元々は共同経営で別の会社をやっていて、独立採算制をとってやってたうちのCRM部門が独立してできたのが「アーカス・ジャパン」です。

うちはCRMをメインとする会社なんですけど、私が元々いたアクセンチュアからCRMを正当に受け継ぎ、正しくCRMを理解する、広める、そして使ってもらって効果を出すことをミッションとしてビジネスを広げていっています。

事業内容は、まずCRMの製品・サービスをやっていて、もう一つが教育事業です。ITリテラシーを上げるための技術者育成などをやっています。あとはフェスの企画、運営やラジオもやっています。


続いて、松原さんご自身の経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

最初は大阪の受託開発会社で技術者からスタートしました。

そこでアクセンチュアにスカウトされて東京に移りました。そこからアメリカの会社に移って、日本法人を作るよう言われて日本に戻されたんです。
そのあとマイクロソフトに移って、マイクロソフトからスピンアウトする形でアーンスト・アンド・ヤングという世界最大の会計事務所の配下でCRMの部門を作りました。
そこから知人の紹介で小さな会社にチームを移して、インドの第三位のIT企業のHCLに移り、立ち上げも一緒にやった会社に合流したあとに、独立して作ったのがアーカス・ジャパンです。
これまでエンジニアやコンサルタント、会社立ち上げやプリセールスなど色んなことをやってきました。


マイクロソフトなどの大企業を経て大阪に戻られた理由はなんですか?

うちのミッションは地方創生で、マイクロソフトにいた時から実は変わっていません。
テレビやYahoo!ニュースでも最近取り上げられていましたけど、IT業界だけで言うと日本で一番遅れている場所って東京なんですよ。何でかって言うと、便利なところではITって発展していかないからなんです。

それだったら地方を活性化させてもっとITリテラシーを高めていく、日本自体の底力をちゃんと目覚めさせていきたいなと思っています。
その解決策は地方にしかないと僕は思っています。東京は場所的にも飽和状態ですし。
僕は大阪出身で、大阪から出発したのでまずは西日本をまとめた方が早いと思いました。

「本当の意味でCRMを熟知している会社」は日本で当社だけ

「本当の意味でCRMを熟知している会社」は日本で当社だけ
CRMを扱っている企業は多いですが、なかでも御社の魅力をお伺いしてもよろしいでしょうか。

CRMをやっている会社は実はいっぱいあるんですけど、CRMは本質を理解した上で実務経験をアップデートしていかなければならないので、本当の意味でCRMをやれている会社は私が見てきた限りありません。
CRMの製品は扱っているけど、説明を見ると「本当にCRMのこと理解してる?」なんてこともあります。

コンサルティングする上でCRMの構造、本質を理解しているかが最重要にして成功のファクターなんですけど、CRMの正当な後継者として、本質を理解している人は日本で現時点で一番長くCRMに携わっていて、かつ現役の私しかいません。
正確にいうと、私から派生した人間しかいないです。

なので、うちの会社はCRMを真に成功させられる唯一の会社です。
うちはコンサルがベースですが、技術もあり、導入もできる、運用のサポートもできる、定着化の支援も、トレーニングもできる、CRMの分野に関してフルラインナップできる世界的に見ても珍しい会社です。これがうちが世界で表彰される所以なんです。


CRMが上手くいっていない会社が多いと思いますが、どういった経緯で御社に来られるんですか?

うちは営業がいなくて、全部周りからの紹介です。
CRMを入れている会社で、私のこと知らない人は潜りって言われるくらい業界ではトップの方なんで、結果的にうちに頼るしかないって感じですね。
まわりまわって結果うちにくるというのが今の仕組みになっています。なのでうちはコンペがいない状態です。


松原さんはずっとエンジニアでやってこられて現場を知っているからというのも大きいですね。

それもありますし、うちがいろんな事業やっているのも実際に現場を知るためというのもあります。
CRMはどの業種、業態でも導入できるんですけど、特に小売とか飲食系はお客さんを掴みにくいんですね。マーケティング戦略を取る上でも実際にやってみないと分からないことって山ほどあるので、そのためにうちは事業をやっているんです。
理論上のマーケティングではなく、実際にやってきたことの実績があるということです。
うちはCRMのためにすべての事業があるので。


これまでの成功体験・失敗体験はありますか?

私頭いいので失敗しないんですよ(笑)


何か「痛い目あったな~」みたいなこともないですか?

痛い目をすでに予見して塞いでいるので基本起こらないですね。それが社長の役割だと思っています。
もちろん流れとしてうまくいかないことがあれば方針転換や組織転換なんてしょっちゅうあります。同じやり方が通用しないことだってしょっちゅうありますが、それは事前に分かるものなんで、それが唯一わかってやれるのがトップなんですよ。

社員の皆は今目の前のことをやっている、トップは唯一未来のこと見て対応をとっていかないといけないんです。
だからうちは大きな成功体験はありません。当たり前のように成功するので。
逆に言うと大きな失敗ももちろんないんです。


御社の考え方や事業をやる上で大切にしていることはなんですか?

うちがよく言っているのが「主客一体」っていって「お客さんと同じ方向を見る」ことなんですよ。これは必ずみんなに言っています。

CRMはお客さんの先にいるエンドユーザーもみないといけないんですね。
お客さんと対立するのではなく、お客さんと同じ方向を向かないとできないんです。
なので社員にはお客さんと同じ方向を向いて仕事をしなさいと言っています。

あとうちは仁義って言ってますけど「約束を必ず守る」ということですね。
契約の内容よりも言ったことをやる、「契約だから」ではなく、やったかやってないかなんです。これって当たり前のことなんですよね。そこに関しては不変なものだと思っています。


松原さんから見た今のIT業界トレンドや変化はどういった点ですか?

今あるCRM2.0(プラットフォームドCRM)は私がマイクロソフトにいたときに考えて世界に広めた考え方なんですけど、これには続きがあって、今うちが提唱しているCRM3.0(パーソナライズドCRM)はAIを組み込んでいるんです。

今までやりたくてもシステム上できなくて、そこは人が解決していきましょうってことがたくさんあったんです。
でもAIによってどんどんできるようになっていきました。
これって実はCRMそのものはそんなに変わっていないんです。
自動化として、人がやらなくても済む形でいうとITテクノロジーの進化はCRMに影響しますが、ある意味その程度なんです。


変化が激しいように見えて根っこの部分は変わらないので大きく変わっていないということなんですね。

そうですね。便利なものが増えるのでお客さんに色んなことを提案できるなという感じです。いまできることを最大限CRMの考え方の中でやるというスタンスに変わりはないので。
これからAIが増えようがやることは変わらないです。


上場や海外進出などの目標はありますか?

上場は考えていません。CRMの知識がない投資家からの声で動くことになり、素人が入るとCRMは失敗しやすいので。

海外進出でいうと、うちはもうすでに海外進出しています。今後より強化していこうと思っていて、実はうちは海外製品の独占販売権を持っているのでそのルートを使って海外に販売していこうと考えています。
うちの製品はグローバル対応なので今年からもっと強化していこうと考えています。
今は大阪本社にしていますけど、本社を海外にしようかなとは思っていますね。
ITにも、CRMにも国境はないので。日本にこだわる必要はないと思っています。

ITリテラシーを底上げする取り組み

御社が実施されている地域活性化の取り組みを教えてください。

地元が大阪なのと、自分がバスケが好きなので大阪エヴェッサのプラチナスポンサーをやっています。
そのブースターパーティーやファンミーティングを主催したり、大阪エヴェッサが各地域の学校にグッズを配るときにうちが協賛したりしています。

ラジオも、経営者だけでなくアーティストや俳優、エンターテイナーなど色んな人がいますが、これからバズりたい人をうちが全力でサポートしてたいと考えています。

あと、うちはグループ会社がたくさんありますけど、あれも若い人たちが「これやりたい」ということにお金を出してグループにしたりしていますね。

こういった若者支援は積極的にやっています。


先ほどITリテラシーの底上げについて話がありましたが、底上げのために取り組まれていることはありますか?

私もいろんなところで言っているんですけど、日本はITリテラシーが低すぎることが問題だと言っているんです。
最近の若者もスマホは使えるけどパソコンは使えない、スマホがどう動いているかを理解していません。それだとツールに使われているだけの人間で終わってしまうんですね。

ITって、インターネットもそうですけど、包丁と一緒でめちゃくちゃ危ないです。
人を傷つけることもできる、でもめちゃくちゃ便利ですよね。
怖いということをしっかり理解した上で使ってもらいたいんです。

そういったリテラシーを上げるためにアーカス・ジャパンの公式キャラクター「ダイナ・シラムー」の着ぐるみを使ってリテラシーを上げる講演会などをやったり、そこで子どもたちにスマホの使い方を教えたりできるといいなと考えています。

僕は良くも悪くも外資系なんで、ビジネスにはうるさいですけど、社会貢献は当たり前という考えなんです。
僕はITで稼がせてもらっているので、そのITの正しい使い方を教えるのは義務だと思っています。

CRMを活かせていない全企業へ

最後に、現在CRMを活かせず伸び悩んでいる企業も多いとのことでしたが、その企業へアドバイスをお願いします。

CRMって形のない経営戦略なので誤情報に惑わされがちなんですよ。
ただ、これから伸びていく会社ってCRMを成功させている会社なんだと思っています。
世界的に見てもそうなんですよ。
でも私が見てきた日本の数万社でほぼCRMはできていません。

道具(ツール)を入れているだけで、道具のポテンシャルを数%しか活かせていないんですね。
投資をほぼ無駄にしているようなものです。
今後生き残るにはCRMをちゃんと使いこなさないといけないんですけど、それを使いこなさせられる会社はうちしかありません。
それはうちがいろんなところから頼られている現状を見ていて分かります。
ツールを入れることはできても、真の意味で成功させられるのはうちしかいない、これが日本の弱さだと思っています。
CRMの成功はIT投資の成功やDX化の成功とイコールで、それはGDPに直結するんです。
なので今後生き延びたい会社はうちに任せてもらえれば必ず成功させます。

COMPANY INFO会社情報

企業名
アーカス・ジャパン株式会社
代表者
松原 晋啓
所在地
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島5-9-6 新大阪サンアールビル本館3F
設立
2020年(令和2)年 7月
事業内容
自社プロダクトやサービスの提供、CRM のコンサルティング支援、CRM システムの要件定義/設計/構築/開発支援
ホームページ
https://www.arcuss-japan.com/