CLINKS株式会社|取締役 高野 拓郎 氏

AIが当たり前の社会作りを推進〜20年間の躍進の秘密を探る〜

CLINKS株式会社
取締役
高野 拓郎氏

CLINKS株式会社創業のきっかけ

CLINKS株式会社創業のきっかけ


御社のご創業のきっかけを教えてください。

CLINKS株式会社は、代表の河原が1人で立ち上げた会社です。
もともとエンジニアとして活動していた河原は、業界内でモチベーション管理やコミュニケーションの課題を感じていました。
そうした問題を解決し、エンジニアが活躍しやすい環境を作るために創業を決意しました。創業当初は、インフラ関連の技術支援を中心に事業を展開していましたが、社員数が50人を超えたくらいのタイミングで、ソフトウェア開発にも着手することになります。
本格的に開発を始めたのは、創業から8~9年ほど経った頃でした。


何かきっかけがあったのでしょうか。

ちょうどその時期にスマートフォンが普及し始め、iPhone 3Gが登場したんです。
スマホアプリ開発に本格的に取り組んだことで、事業の幅が一気に広がりました。
その後、開発領域はさらに拡大し、エンドユーザー向けのアプリ開発にも挑戦するようになり、現在では、企業向けの業務管理システムやBtoC向けのアプリサービスの開発も手掛けています。
社員数は1,200名を超え、会社の規模も大きく成長しました。

リーマンショック×スマホの台頭によるアプリ開発がきっかけで取締役に抜擢

リーマンショック×スマホの台頭によるアプリ開発がきっかけで取締役に抜擢
高野さんのご経歴を教えてください。

私は新卒で同社に入社しました。
当初は、まだスマートフォンが普及しておらず、モバイルサイトが主流の時代です。
しかし、入社後まもなくリーマンショックが発生し、会社は厳しい状況に直面します。
そのような中、iPhone 3Gが登場し、スマートフォン市場が急成長を始めました。
この変化をいち早く察知し、社内でスマホアプリの開発に取り組むことになったんです。
当初は試験的に開発を進めていましたが、次第に案件が増え、本格的に事業として展開されるようになりました。
スマホアプリ開発が軌道に乗るとともにプロジェクトマネージャー(PM)としての役割を担うようになります。

さらに、短期間ではありましたが、営業の仕事も経験しました。
この経験が後に大きなアドバンテージとなり、特に、ゼロから開発する案件では、クライアントの意図を正確にヒアリングすることが求められるため、培った営業力が、開発の現場でも活かされるようになりました。
その結果、プロジェクトの成功率が向上し、会社の成長にも大きく貢献することができました。
こうした実績が評価され、今では取締役を務めています。
スマホアプリ開発の波に乗り、新しい技術に挑戦し続けたことが、キャリアの大きな転機でしたね。

CLINKS株式会社の魅力・差別化ポイントはAIを使ったシステム構築に定評があること

CLINKS株式会社の魅力・差別化ポイントはAIを使ったシステム構築に定評があること
御社の事業の魅力や差別化ポイントを教えてください。

CLINKS株式会社は、"AI DRIVEN COMPANY(AI駆動企業)"として全社的に生成AI活用に取り組んでいます。特にシステム開発分野では、AIを使ったシステム構築に強みを持っています。「AI駆動型開発」に力を入れ、従来のシステム開発とは異なるアプローチを取っています。
開発/コーディングで生成AIを積極的に活用しており、さらにRFP(提案依頼書)の解析や、それを基にした設計の自動化など、開発プロジェクトの様々なフェーズでもAIを使用しています。
これにより開発の効率を向上させるだけでなく、品質を一定に保つことが可能になりました。
また、AIを導入したい企業をサポートし、スムーズに導入できるよう支援もしています。
各ユーザーに合ったAIを設計し、業務に無理なく組み込めるようにするのがCLINKSの強みです。
AIを使うことを難しく考えず、「まずは試してみる」ことが重要で、実際に使いながら試行錯誤することで、いろいろな使い方が見えてきます。
CLINKSは、AIを「使いこなす」ための支援だけでなく、「使いやすくする」ことにも注力しています。
その結果、より多くの企業がAIを導入しやすくなり、業務の効率化が加速することを期待しています。

経営者としての成功体験と失敗体験

経営者としての成功体験と失敗体験
経営陣としての成功体験を教えてください。

スマホアプリのトレンドにいち早く乗れたことが、会社の飛躍につながったと考えています。
当時、スマートフォンが普及し始めたばかりでしたが、CLINKSは積極的に新しい技術を取り入れ、試行錯誤を重ねながら開発を進めていました。
その結果、一つのアプリが大ヒットし、それをきっかけに多くの企業から開発の依頼が舞い込みました。


失敗体験はありましたか?

開発の依頼が増える中で、大量の仕事を受注してしまい、結果としてリソース不足に陥ってしまったことがあります。
当時の開発チームは、パートタイマーや外国籍のエンジニアが多くを占め、安定した開発体制が整っていませんでした。
さらに、2011年の東日本大震災の影響で、多くの外国籍エンジニアが帰国し、人手不足が
一気に加速してしまったためです。
しかしこの経験が、のちの「リモートワーク推進」につながったんです。
2016年頃から本格的にリモート環境の整備を進め、フルリモート勤務を導入したことで、全国の優秀なエンジニアを採用できるようになりました。
特に地方在住の人材が活躍する場を広げられたことは、大きな変化でした。
過去の失敗を教訓に、働き方の改善と開発体制の強化に取り組んだため、今ではリモートを使用した開発体制を確立しています。
その結果、企業としての競争力をさらに高めることに成功したと考えています。

CLINKS株式会社はAI駆動企業としてAIが当たり前の社会作りを推進していく

CLINKS株式会社はAI駆動企業としてAIが当たり前の社会作りを推進していく
御社の今後のビジョンをお伺いしたいです。

「とりあえずAIでやってみる」という文化を広げることが、CLINKSの目指す未来です。
CLINKSは、もともと「モチベーショナルエンジニア」というキャッチコピーを掲げ、エンジニアがやりがいを持って働ける環境を用意してきました。
しかし昨年、「AIドリブンカンパニー」へと方向性を転換し、ロゴも変更しました。
この変化は、AIが社会の基盤となる未来を見据えたものです。
単なる業務効率化ではなく、AIを使って新しい価値を生み出すことこそが、これからの企業に求められます。
すでに海外ではAIを新しい挑戦のためのツールとして積極的に導入する企業が増えています。
CLINKSも日本企業がAIを活かして新しいチャレンジができる環境を届けていきたいと考えています。
この取り組みの一環として、「生成AI活用普及協会(GUGA)」の公式アンバサダーとしての活動も展開しています。
現在、AIを導入している企業はわずか17%にとどまっています。
AIを使いこなせる人材はまだ限られているのが現状です。
理想は、「AIを使っている」という感覚すらないまま、業務や日常生活の中で自然と利用されることです。例えるなら、電子レンジのように直感的に使えるAIで、ボタンを押せばすぐに結果が得られる、そんなシンプルなAIを届けることです。
今後は、AIを使った新規事業の開発や、革新的なサービスの創出をさらに加速させていきます。

「便利だな〜」よりも『おお!すごいな!』と思ってもらえる製品作り

「便利だな〜」よりも『おお!すごいな!』と思ってもらえる製品作り
ビジネスをやられる上で大切にしている考え方を教えてください。

CLINKSでは、事業を進めるうえで「三方良し」の精神を大切にしています。
企業として利益を上げることはもちろんですが、お客様やエンドユーザーにも満足してもらえる製品を届けることが重要です。
ただ機能的で便利なだけではなく、使った瞬間に「こんなことができるのか!」と感動を与えられるような製品を作りたいと考えています。
そのためには、エンジニアの技術力だけでなく、企画やデザインの工夫も欠かせません。
ユーザーの期待を超える「驚き」と「感動」を届けることができるよう、細部までこだわり抜いた開発を続けています。
また、システム開発では「使いやすさ」も重要なポイントのひとつです。
どれだけ高度な技術を使っていても、ユーザーが直感的に操作できなければ意味がありません。
AIや最新技術を使いながら、誰もがスムーズに使える製品を目指しています。
さらに、ただの業務効率化ツールではなく、新しい体験を届けるサービスを作りたいと考えています。

生成AIを使う土台を整えたい企業におすすめしたい「ナレフルチャット」

生成AIを使う土台を整えたい企業におすすめしたい「ナレフルチャット」
最後にPRしたいことはありますか?

企業がAIを使うためには、まずその土台を整えることが重要です。
その中で、法人向けのChatGPTサービス「ナレフルチャット」は、AI導入を検討している企業にとって非常に有用な選択肢となるでしょう。
このサービスは、生成AIを業務で使いやすくすることを目的に開発され、昨年10月にリリースされました。
リリースから4ヵ月で、すでに40社以上が申し込みを行い、問い合わせ件数は200件にのぼります。
多くの企業が関心を寄せている背景には、生成AIを活用しやすくなる独自の仕組みや、シンプルで導入しやすい料金体系があると考えています。


それだけ反響があった理由は何だとお考えですか?

「ナレフルチャット」は、特許も取得している「プロンプト自動生成・共有」や生成AIの基礎知識が学べる「動画コンテンツ」など、初心者でも生成AIを手軽に利用できる仕組みを多く備えています。

また、企業単位で月額4万円という定額料金で、社員数に関わらず一定のコストで利用できる仕組みになっています。
この価格設定により、AIのハードルが大きく下がり、試験的な導入から本格的な運用へと移行しやすくなっています。
特に、生成AIを導入したいが、どうすればよいか分からない企業にとって、最初の一歩を踏み出すための選択肢のひとつとなるでしょう。
ナレフルチャットは、単なるAIツールではなく、企業が生成AIを使う環境をしっかりと整えることを目的としています。
AIを導入したいが何から始めればよいか分からない、コスト面の不安がある、といった企業には、ぜひ検討してほしいサービスです。

COMPANY INFO会社情報

企業名
CLINKS株式会社
代表者
河原 浩介
所在地
〒104-0032 東京都中央区八丁堀1-10-7 TMG八丁堀ビル10F
設立
2002年 12月 19日
事業内容
ITアウトソーシング事業、システム開発事業、AIサービス事業、教育訓練事業
ホームページ
https://www.clinks.jp/