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「世の中のスタンダードを求めない」組織で、営業の新常識を創る 株式会社Grand Central 代表取締役CEO 北口拓実氏が描く、セールスコンサルティングの未来

株式会社Grand Central
代表取締役CEO 北口 拓実氏
公開日:
2025.07.14
更新日:
2025.07.17

キーエンス時代のキャリアと創業への思い

――まずは北口さんご自身のご経歴を教えてください。

私は東大阪の生まれで、50年以上続く町工場の四代目長男として育ちました。

実家を継ぐつもりで学生時代からもアルバイトをして手伝っていましたが、機械で指を怪我してしまったことで父親をはじめとする職人の仕事の大変さを実感しました。そこで、一度外の製造業について勉強しようと、大学卒業後は業界最大手のキーエンスに入社しました。

――キーエンス時代はどのようなお仕事をされていたのですか?

大阪と名古屋で、トヨタやデンソーなど担当する営業職をしておりました。

「車載電池」の需要拡大もあり景気も良い時期で、私自身の営業成績も社内ランキングで上位の結果を残すことができました。

その後、キーエンス時代の同僚とコロナ禍のタイミングで創業したのが、弊社Grand Centralです。

――創業に至るきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

きっかけは、大きく二つあります。

一つ目は、キーエンス時代から自分のバイタリティーを強く感じていたということです。

業界の猛者が集まる会社だと思って入社しましたが、いざ入ってみるとすぐに社内で1番の成績を獲得できました。自信がついた一方で、今後どれだけの努力をしても社内でしか評価されないということに、インパクトの狭さを感じるようになっていました。

二つ目は、昨今の日本のビジネスモデルにおける悪しき商習慣を変えたかったからです。

日本企業は、モノづくりは得意なのに、それを押し広げることができない。その原因は、企業の営業が代理店や商社に頼りきりになっている点にあると考えています。

欧米諸国では、業務委託を活用してでもパワーのある営業組織を組成して、自社で会社の価値を広めます。

現在の日本では、この価値観がアブノーマルであることに気付いたので、そこを我々が担うことで、数々の良い企業を世に広めたいという思いで創業に至りました。

――コロナ禍の最中で起業されたのですよね。

実は、かなり初期にコロナに感染しました。

創業メンバーと共に1ヶ月ほど病院に隔離されていたので、そこでも親交が深まったきがします。

コロナ禍の影響は、BtoBのビジネスモデルなので、さほど心配していませんでしたね。

急成長の背景にある組織力と差別化戦略

――ご創業から現在に至るまで、拠点も増え、急速に拡大し続けていらっしゃいますね。成功の要因についてはどうお考えですか?

まずは、やはりマーケットのニーズです。

人手不足の世の中で、企業の業務も内製化が進む中、エキスパート性を持った外部パートナーに業務委託をしてでも効率化を図ることがトレンドになっていますよね。

我々はその営業部門として、世のニーズのど真ん中の価値を提供できているのだと思います。

それに加えて、組織の力強さがあります。

この3年半で正社員は160~170名ほど、業務委託も含めると300名ほどが集結してくれていて、その一人一人が高い専門性を持っています。このスケールでのチームワークは、確実に弊社の強みです。

――力強い組織を維持するために、工夫されていることはありますか?

弊社の文化である「世の中のスタンダードを求めない」を理解してもらうことを重要視しています。

一人一人に平均以上のエキスパート性を自負してもらうことで、常に「普通以上を求める」ことを大切にしてもらいたいという思いがあります。

現在、弊社には新卒で年間1600名ほど、中途だとその3倍ほどの応募をいただいているため、採ろうと思えば年間1000名でも採用できてしまいます。しかし、それをやってしまうと我々が大切にしてきたカルチャーが希釈してしまう可能性がある。

組織としての強度を高め続けることも重要だと考えています。

――競合他社との差別化はどのように図っていますか?

人×テクノロジーの「掛け算」だと思います。

同業界に比べて高い知識と能力を磨き続ける「人材」、そこにDXやAIなどの「テクノロジー」の力を掛け合わせることで、各々のセンスや感覚だけに頼らずデータドリブンで戦うことができます。

また、それを可能にしているのが弊社の資金力でもあります。小規模な会社経営がほとんどであるこの業界において、弊社はクライアントも大手企業様が多いことから、資金力においても他社との差別化ができています。

――北口さんの経営者としての「成功体験」を聞かせてください。

本当に人に恵まれたということに尽きます。社内のメンバーは優秀な人材が集まってくれていますし、社外の錚々たる方々が、我々のビジネスモデルの先見性に興味を持ってサポートしてくださっています。

また、お客様の4割程が上場企業様であることから、エンタープライズの社長様ともダイレクトに関係を持たせていただいています。このようなリレーションシップも、裏返せば実力のうちかもしれませんが、非常にありがたく感じています。

――逆に、「失敗体験」はおありでしょうか?

これといった「失敗体験」というより、日々何らかのトラブルがずっと続いている、と答えたほうが正しいかもしれません。

会社が停滞せず成長し続けている限り、問題は常に発生し続けます。そこに対して、どれだけ早く対処できるかの柔軟性が重要だと考えています。

――どのように解決してこられたのでしょうか?

組織内でのコミュニケーションをとにかく大切にしてきました。

メンバー内、そして社長である私に対しても忌憚なく意見を言ってもらえる関係性づくりは、創業来一番の課題として考え続けてきました。

弊社は平均年齢が26~27歳で、私も今年で30歳になります。年齢が近いメンバーが多いので、そうした日頃からのコミュニケーションが迅速なトラブル解決にも直結していると思います。

AI時代における「人間力」の価値とビジョン

――この業界と御社の未来については、どのようにお考えですか?

間違いなくAIがどんどん営業領域にも組み込まれていくと思います。

ただ、我々としてはこの波に完全に乗るのではなく、ある意味「逆行」して、自分たちの強みをキープしていくことが重要だと考えています。

かつてインターネットやパソコンが世の中に登場した際、「人間の仕事が奪われる」と言われたことがありましたよね。産業革命と呼ばれるものは過去に何度も起きていますが、結局人の仕事は奪われていません。おそらく、今回のAI革命も同じだと思っています。

例えば、トヨタの生産工場のラインでロボットアームが導入されれば、人が減るどころか生産性が向上し、ロボットをコントロール・メンテナンスできる人材を採用しなければならなくなります。

――人材の需要は上がるわけですね。

はい。そして今回の「AI革命」では、我々の営業領域の人材需要が増加すると見込んでいます。

なぜなら、どの会社もみなAIで営業を行っていけば、いずれ差は出なくなっていく。そんな中で「人」が営業を行っている会社があれば、確実に付加価値が向上し、クライアントは集中するはずです。

人とのタッチポイントをキープして、「人間力」で戦える会社にし続けなければならないと考えています。

飲食店でも、アルバイトがラストオーダーを聞きに来るのと、端末のみで通知する場合では、オーダー率が6割近く変わるそうです。やはり人は合理的ではなく感情で動く生き物なので、AIには絶対に取って代われない領域があるし、むしろ今後ニーズは高まっていくと思います。

――御社の5年後、10年後について、どのようなビジョンをお持ちでしょうか?例えば、上場についてはどうお考えですか。

市場から求められればいつでも上場したいと思っているので、通過点としてはあると思います。ただ、あまりそこには左右されたくないので、目標としては置いていません。

それよりも今後5年で、我々が作ってきた「セールスコンサルティング」という事業を、よりメジャーなものにしていきたい。

「フードデリバリー」という新たな職種が世の中に定着したように、最近の転職市場では「セールスコンサルタント」という職種が登場するようになってきました。それは我々が先頭に立ってこの事業を確立させてきた結果だと思います。

今後も、マーケットリーダーとして「セールスコンサルティング=Grand Central」と認知していただける世界線を作り上げていきたい。具体的には、売上で時価総額1000億円近くまで持っていくことを目標として掲げています。

さらに10年後には「メイドインジャパン」の戦略コンサルティング会社として、存在をグローバルスタンダードにすることが、我々のビジョンです。

現在はマッキンゼー、BCG、ベインなど、世界で活躍する企業はほとんどが外資系ばかり。日本にはまだそこに匹敵する企業が存在していないので、世界で戦えるコンサルファームを作ることができれば、非常に大きなビジネスインパクトを生み出せると思います。

経営者としての姿勢とコミュニティでの役割

――北口さんが経営者として大切にしている考え方について教えてください。

夢や目標を大きく掲げ、停滞しないことです。

名古屋で創業した際も「名古屋で一番の会社にする」というビッグな目標を掲げていたからこそ、現在のようなスケールでのオフィスの展開や、採用スピードを実現できているのだと思います。

多少生意気に聞こえても、目標が大きいほど歩幅が大きくなりますし、その歩幅を常に大きくし続けていきたいと考えています。

そのために、自分の身の置き方も大切にしています。

やはり人間は、ある程度お金を持ったり、立派なオフィスに入れたりすると満足してしまうことがありますよね。

そうならないためには、常に現場に出続けて慢心しないことや、自分が最下層にいるようなコミュニティに所属し続けて、視座を上げ続けることが重要だと考えています。

――地域との関わりにおいて、御社がされている取り組みはございますか?

創業1年目から、名古屋グランパスのスポンサーをさせていただいていました。

地域還元、そして会社の認知やインパクトを上げるという点においても、スポーツでの取り組みは非常に有効だと思っているので、将来的にはスポーツチームを自社で保有したいと考えています。

また、推薦いただき経済同友会にも参加しているので、大手企業がずらりと並ぶコミュニティの中、珍しい20代の若手として年上の先輩方に良いインパクトを与えていきたいですね。

営業を強くしたいすべての企業へ

――自社の営業をより強くしたいと考えている企業へのアドバイスをお願いします。

弊社には、日々営業に関するお悩みの声が寄せられています。その多くの企業が、うまくいかない根本的な原因を掴みきれていません。意識の問題なのか、戦略の問題なのか、当事者だからこそ本質的な課題が客観視しづらい部分もあると思います。

ですので、営業に関して何かしらお困りのことがあれば、まずはぜひご相談ください。

DX、戦略、マーケティング、セールス、イネーブルメントなど、我々には幅広いアセットケイパビリティがありますので、それぞれの企業に最適な切り口でサポートさせていただきます。

――御社のお客様には、中堅中小企業様もいらっしゃるのですか?

はい。1~2割ほどいらっしゃいます。

「社長が属人的に営業してしまっている」といったお悩みのテーマも、我々の主戦場です。

社長の脱・属人化を目指したい中小企業様は、ぜひご相談ください。

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こちら会社にご相談(ご連携)されたい方は、BIZPREPまでお問合せください

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COMPANY 企業情報

企業名
株式会社Grand Central
代表者
北口 拓実
所在地
〒108-0073
東京都港区三田3丁目5-27
住友不動産東京三田サウスタワー15F
設立
2021年
事業内容
セールスデベロップメント (営業戦略立案、BPOなど)
セールスDX (SFA/CRM等のDXコンサルティング)
セールスイネーブルメント (営業組織構築、評価制度策定など)
HP
https://service.grandcentral.jp/

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