ロボット専用アパレル事業のアイデアを思いつき、現在では市場を切り開く泉幸典氏ですが、この事業に興味を持つきっかけはアメリカへの渡航だったといいます。
泉氏はもともとホテルユニフォームを製造する業界で働いており、「多品種少量生産」の現場を目の当たりにしていました。
しかし、ファストファッションの普及で日本の縫製技術が減少していく状況に対し、その技術を別の分野で活かせないかを考えるようになったそうです。
そんなことを考える中、渡米した際、シリコンバレーで最先端技術に触れ、ITエンジニアや経営者と積極的に交流を重ねる中で、日本のロボット文化が持つ特異性を再認識し、事業へと結びつけたいと思い、決意を固めたのです。
海外ではロボットがロボコップやターミネーターのように脅威と見なされるケースが多いようですが、日本のアニメに登場するロボットはドラえもんや鉄腕アトムなど親しみやすさがあるのが特徴だといいます。
しかしながら、日本ではロボットはロボット好きの人にしか興味を持たれないような状況があることを危惧していたことから、「今後はロボットとの共存を当たり前にするための打開策として、ロボットにユニフォームを着せて役割を視覚的に理解しやすくしよう」と、泉氏は当時を振り返り、語りました。
このように、ロボット専用アパレル事業を立ち上げ、新たな市場の開拓に乗り出したのです。